飲食店にとって書き入れ時となる年末年始。今年は、新型コロナの新規感染者数が低い水準で推移していることから客足回復に期待している店舗も多いが、引き続き問題視されているのが予約客が来店しない“無断キャンセル”だ。
飲食店の無断キャンセルは逮捕者も出るなど、近年、社会問題化。コロナ禍で打撃を受けている飲食店にさらに追い打ちをかけることになりかねない。こうしたなか、グルメサイトを運営するぐるなびが「無断キャンセル保険」の提供を11月からスタートさせた。
ぐるなびが飲食店の無断キャンセル対策を開始
無断キャンセルが発生した際に、泣き寝入りするしかない飲食店も少なくないが、ぐるなびが11月1日から提供を始めた「無断キャンセル保険」は、こうした被害を補償してくれる保険。ネット予約を無断キャンセルされ、キャンセル料を回収できない時の損失を補償してくれる。利用には、ぐるなびのベーシックプランに加入し、キャンセル規定を設定する必要がある。
ノーショー対策には、キャンセル料の回収代行や事前決済サービスも
無断キャンセル被害に備えたサービスを展開しているのは、ぐるなびだけではない。保証事業などを行うGardia(ガルディア)では、ノーショーなどのリスクを保証する「Gardiaリスク保証サービス」を事業者に対し提供。大手グルメサイトを運営する食べログやfavyなども導入している。
食べログの「ネット予約無断キャンセル保証」は、食べログのネット予約サービスを利用している店舗が対象のサービス。食べログネット予約で、1組10人以上の無断キャンセルが発生した時に1人につき3000円を上限に補償をしてくれる。一方、favyも、プレミアムプランにキャンセル料の100%を保証する「ノーショー保証」を組み込んでいる。
また、近年では、飲食店の代わりにキャンセル料を回収してくれるサービスも登場。「ノーキャンドットコム」は、弁護士がキャンセル料の回収を行うサービスで、これまで2000万円以上のキャンセル料を回収している。着手金は無料で、成果に応じて費用が発生する形だ。
ここまで紹介したサービスは、無断キャンセルが起きた後の損失を軽減させるものだが、そもそも無断キャンセルが発生しないよう、事前決済サービスを導入するのも一つの手だ。例えば、飲食店予約管理サービス「Yahoo!リザベーションマネージャー」は、PayPayグルメなどと連携し、事前決済にも対応。客側が事前に支払いを済ませられるため、飲食店の無断キャンセル防止に役立ってくれる。
新型コロナウイルスの影響が長引く飲食店にとって、無断キャンセルの発生は死活問題と言える。飲食店は、無断キャンセルへの備えとして、損失補償サービスや回収代行サービス、事前決済などの導入を検討してみてはいかがだろうか。